【四国遍路】
■昔伊予の国浮穴郡荏原に「衛門三郎」という欲深い長者がいた。ある日托鉢の僧を弘法大師とは知らずに彼の托鉢を取り上げ投げつけたところ、鉢は八つに割れた。
その後八人の男の子が次々と死に、三郎は邪見を捨て改心し四国巡拝の旅立つ。
そして大師に会えぬまま、遂に21回目天長八年阿波の国焼山寺の麓で病に倒れる。
その時突然弘法大師が枕元に現れ、一寸八分の石に「衛門三郎」と刻み彼の手に授けると三郎は安心して息を引き取った。
その後、この地方の豪族河野息利に男子が生まれたが、石の手を握ったまま開かないのでこの寺に願を掛けたところ、手の中から「衛門三郎」と書かれた石が出てきた。
そこで、この石を当山に納め寺号を安養寺から石手寺に改めた。現在「衛門三郎玉の石」は大講堂にある。
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